医師が産業医に転職するメリット・デメリット

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産業医とは、企業の従業員の健康管理を行なう医師のことです。フィジカルな面だけではなく、メンタル面でのケアも重要な仕事となります。

労働安全衛生法によって、従業員数が常時50人以上の事業所では1人以上の産業医を選任することが定められていますので、特に企業の多い都市部を中心に産業医のニーズは高まっています。

ただし、産業医には「専属医」と「嘱託医」の2つがあり、特に専属医の求人は少ないのが現状です。

ここでは、医師が産業医に転職するメリットとデメリットをいくつかご紹介していきます。

医師が産業医に転職するメリット

ワークライフバランスをとりやすい

産業医は、企業の社員として常勤する「専属医」と、非常勤で健診や健康管理を行なう「嘱託医」の2つに大別されますが、いずれの働き方でもワークライフバランスをとりやすい点が大きなメリットです。

専属医の場合、企業の社員と同じ勤務時間で働けますし、基本的には土日祝日に休むことができます。

ですから、育児中の女性医師や、家族との時間を大切にしたい医師にも最適な仕事です。

嘱託医の場合は、定期的に企業へ赴いて安全衛生会議に出席したり、社員の健康相談や職場復帰相談への対応、健診業務、健康管理に関する意見書作成などを行なったりします。

通う頻度は、週1回や月1回など職場によって異なりますが、多くは1~2時間程度の勤務で、医療機関の常勤医がアルバイトとして行なうケースがほとんどです。

どちらの働き方にしても、産業医である以上は当直やオンコール待機なども一切ありませんので、プライベートを大切にしながら働けます。

精神的・肉体的な負荷が少ない

産業医の仕事は、社員の健康管理が主であり、診断や治療、薬の処方などは行ないません。もし面談や健診の結果、治療が必要と判断された場合は、医療機関の受診をすすめることになります。

そのため、精神的・体力的な勤務負荷が少なく、年配の医師や病院での勤務に疲れてしまった医師でも働きやすい点がメリットです。

専門性を生かしながら、企業の発展に貢献できる

産業医は、従業員の健康を守るという重要な責務を担っています。

時々、ニュースで過労死の話題が取り上げられるように、日本の企業では働きすぎで精神を病んでしまう人が少なくありません。

産業医は医師としてのスキルを生かしながら、社員の相談に乗ることでうつ病や自殺を食い止めたり、バーンアウトしてしまった社員が無理なく職場復帰できるように助言したりします。

調子の悪い従業員がいれば、必要に応じて休職を命じるのも産業医の仕事です。このように産業医は、医師という立場から企業の発展に貢献することができます。

医師が産業医に転職するデメリット

専属医の求人数が少ない

働きやすく魅力的な産業医の仕事ですが、専属医の募集は非常に限られているのが現状です。

労働安全衛生法で専属医を置くことが義務づけられているのは、「従業員が1,000人以上」の職場です。1,000~2,999人までの職場では1名、3,000人以上の職場では2名以上の専属医を置くことが定められています。

それ以下の人数の職場では、嘱託医を選任するだけでいいため、特に大企業の少ない地方では専属医の募集はかなり限定的です。また、都市部でも専属の産業医は人気が高いため、狭き門となっています。

研修が必要

産業医として働くためには、医師免許を保有しているほかに「労働者の健康管理等を行なうのに必要な医学に関する知識について、厚生労働省令で定める要件を備えた者でなければならない」と、労働安全衛生法で規定されています。

具体的には、所定の研修を受け、日本医師会が認定する「認定産業医」の資格を取得するのが王道です。研修は、各都道府県の医師会、もしくは産業医科大学などで受けることができます。

ちなみに、認定産業医の取得者は約9万人といわれますので、日本全国の医師のおよそ3割近くが取得していることになります。

人によってはやりがいを感じにくい

医師という立場から企業の発展に貢献できる産業医ですが、従業員の健康管理が主な業務であり、医療行為は基本的に行なえません。

そのため、医師によってはやりがいを感じにくい可能性も考えられます。

産業医への医師転職を成功させるコツ

医師の転職

上でも触れたように、専属医としての産業医の募集は多くありません。

従業員が常時1,000人以上いる職場でないと、専属の産業医を置く必要がないため、必然的に募集は都市部の大企業が中心となります。そのため、空きの出た時点ですばやく申し込まなくてはいけません。

しかし、そもそも応募の殺到しそうな求人は表に出ず、非公開求人として扱われることが多いのが現状です。そのため、専属の産業医を目指す方は、転職エージェント(医師転職支援サイト)に登録することが基本となります。

サイトに登録すれば、希望の条件にマッチした求人が出た時点で優先的に紹介を受けられますので、自分で探すよりも圧倒的に効率的です。

求められるスキルについては、産業医の場合「内科」「精神科」「心療内科」の需要が高くなっています。特にメンタル面でのケアが求められますので、精神科医は優遇される可能性が高いでしょう。

ほかにも、生活習慣病の増加から「糖尿病内科」や「循環器内科」などの診療スキルも重宝される可能性があります。

資格としては、認定産業医のほかに「労働衛生コンサルタント」や「産業衛生専攻医」なども取得しておくと、転職活動の際に有利にはたらくかもしれません。たとえば「労働衛生コンサルタント」は、職場の衛生についての診断や指導を有償で行なえる資格になります。

ちなみに、産業医が活躍できる職場は大企業のオフィスだけではなく、郊外にある大きな工場もその一つです。

従業員数の多い工場なら専属の産業医を置く必要がありますし、作業環境の安全・衛生管理も請け負いますので、オフィスとは違ったやりがいも感じられます。

いずれにしても、特に専属医としての勤務を希望する場合は、転職支援サイトに登録してサポートを受けたほうが転職の成功率はアップするはずです。

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