医師が介護老人保健施設に転職するメリット・デメリット

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老人介護

介護老人保健施設(老健)は、病院と自宅の中間に位置づけられている施設です。在宅復帰のためのリハビリが中心に行なわれており、2016年の統計では全国に4,241件の施設があります。

介護老人保健施設は、入所者100人あたり1人以上の医師を常駐させることが義務づけられています。

老健の医師は施設のリーダー的存在で、入所者の診察を行なうだけではなく、人事や経理にもかかわる点が特徴です。

そんな介護老人保健施設に、医師が転職するメリットとデメリットをご紹介していきます。

医師が介護老人保健施設に転職するメリット

ワークライフバランスをとりやすい

介護老人保健施設は、入所者が寝泊まりする施設ですが、基本的に医師は当直の必要がありません。

老健の配置基準では、夜勤を行なう看護職員および介護職員の人数は定められているものの、医師については日中の常駐が義務づけられているだけだからです。

そのため、通常は定時(17時くらい)で帰ることができますし、土日祝日もゆっくり休めます。

ちなみに、老健ではオンコール待機もないところが多いです。あったとしても、基本的に呼び出されることはなく、電話でスタッフに指示を与えるだけで済みます。

このように、老健勤務はワークライフバランスをとりやすいため、病院での激務に疲れた医師や、家族との時間を大切にしたい医師にも最適です。

精神的・体力的な負荷が少ない

介護老人保健施設はリハビリを中心とした施設のため、急性期病院のように病状の重い人は基本的に入所していません。持病があっても、「病状が安定していて入院の必要がない」ことが入所の条件となっています。

そのため、医師の仕事も入所者の健康チェックや、簡単な医療処置、スタッフへの指示などが主で、それ以上の大きな治療をすることはありません。

もし入所者の状態が悪化した場合は、併設の病院や別の医療機関に搬送することになります。

このように、老健では命にかかわる医療を基本的に行なわないことから、精神的・体力的な負担が少なく、年配の医師や育児休暇から復帰したばかりの医師などにも勤めやすい点がメリットです。

長く勤めることができる

介護老人保健施設の医師求人を見ると、年齢の条件が特にないものが多くみられます。

実際、老健には60歳以上の医師も多く、セカンドキャリアとしても選択できる仕事です。老健の医師の業務は急性期の治療や救急対応ではなく、健康管理が中心ですので、第一線を退いた医師でも十分に勤めることができますし、いったん入職すれば長く勤められます。

医師が介護老人保健施設に転職するデメリット

業務内容が多い

介護老人保健施設の常勤医師は、施設長の役割も兼ねています。つまり診療のみならず、施設全体の運営にかかわる必要がある点が大きな特徴です。

たとえば以下のような業務があります。

看護師や介護スタッフの管理・指示

老健の医師は施設のトップたる存在ですので、スタッフ管理をする必要があります。

人材配置や業務内容の指示、勤務環境の整備などを行ないます。

入退所の判定

老健に入所するためには、「65歳以上で要介護認定を受けていること」のほかにも、持病がある場合は病状なども含めて、さまざまな条件を満たす必要があります。

それをチェックして、入所の合否判定をするのも老健の医師の仕事です。

また、老健は短期入所が基本の施設のため、原則3ヶ月ごとに入退所を判定する会議が行なわれます。

在宅復帰可能、もしくは老健では対応できないほど状態の悪化が認められた入所者には、退所の判定をすることになります。その最終的な判断を下すのも、施設長である医師の仕事です。

上記のほかにも、施設によってはお金を管理する業務が求められることもあります。いずれにしても、施設長として施設全体の運営に携わる必要があるため、本業である医療以外の業務が多いことは確かです。

それが向いている人であればいいのですが、負担に感じる人の場合はデメリットといえるかもしれません。

人によってはやりがいを感じにくい

介護老人保健施設では、基本的に大きな医療行為は行なわず、高度な治療が必要になった場合は医療機関を紹介することになります。

そのため、精神的・体力的に負担が少ない一方で、人によってはやりがいを感じにくい可能性もあります。

臨床医として医療の最前線で働きたい医師には、向いていないでしょう。

求人数が少ない

老健は、社会の高齢化によってニーズが高まる一方ですが、実は医師の求人はそれほど多くありません。

特養や有料老人ホームに比べると施設数が少ない上、「入所者100人あたり医師1人」という配置基準ですので、老健の医師は狭き門なのです。

また、老健は長く勤められる職場のため、いったん医師が決まったら次にそのポストが空くのはいつになるかわかりません。

介護老人保健施設への医師転職を成功させるコツ

医師の転職

上でご説明したように、老健の医師の求人は多くないため、転職を成功させるためにはしっかりと対策を練る必要があります。

まず求められる人材像ですが、医療だけではなく施設全体のまとめ役も任されることから、「コミュニケーションスキル」や「リーダーシップ」が重視されると考えていいでしょう。

また、「高齢者や認知症に対して理解があること」も当然求められます。その意味では、若すぎる医師よりも、ある程度の年齢のベテラン医師のほうが適しているかもしれません。

臨床スキルについては、高度な医療は行なわないため基本的には診療科目に関わりなく働けますが、高齢者を専門に診ることから「老年内科」に勤めていた医師や、「老年病専門医」の資格を取得している医師は有利といえるかもしれません。

いずれにしても、老健の医師求人は多いとはいえないため、効率よく転職活動をするためにも医師転職支援サイトの利用をおすすめします。

医師転職支援サイトなら、非公開求人も多く保有していますし、希望条件に合った案件が出た時に優先的に紹介してもらえるからです。

また、老健は施設によって入所者の要介護度や、平均在所日数、年間の看取り件数などが異なります。

転職支援サイトに登録すれば、そうした施設の内情も担当コンサルタントが代わりにリサーチしてくれますので、納得のいく職場で働くためにもぜひサポートを受けてみてください。

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