医師が保健所に転職するメリット・デメリット

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医師が活躍できる職場の一つに、各自治体の保健所があります。

保健所で働く医師は「公衆衛生医師」と呼ばれ、その業務は感染症の予防や母子保健、難病対策などさまざまです。

保健所の所長は、原則として医師が務めることが法律で定められているため、多くの自治体が公衆衛生医師の確保に努めています。臨床分野で働いてきた医師の転職も、もちろん大歓迎です。

ここでは、医師が保健所に転職するメリットとデメリットをそれぞれいくつかご紹介していきます。

医師が保健所に転職するメリット

ワークライフバランスをとりやすい

保健所で働く公衆衛生医師は、基本的に保健所の開館時間に合わせて働けるため、ワークライフバランスをとりやすい点が大きなメリットです。

自治体にもよりますが、平日午前9時ごろ~午後17時半ごろまでの勤務時間が多くみられます。

もちろん土日祝日や年末年始は原則休みですので、家族との時間や余暇を大切にしたい方に最適です。

公衆衛生分野から地域の人々に貢献できる

公衆衛生医師の仕事は、医療機関での仕事とはまるきり異なります。

患者さんに対して直接治療を行なう機会はほとんどありませんが、感染症対策や、食品・環境などの生活衛生、乳幼児健診や健康診断の業務、健康に関する講習会や各種セミナーの開催など、公衆衛生の分野から地域住民の健康に寄与できます。

とくに感染症予防は保健所の重要な役割であり、地域の医療機関や医師会、消防などと連携をとりながら体制を整えます。

どの分野からも転職しやすい

保健所で働く公衆衛生医師のうち、最初から公衆衛生を専門にしていた人はまれで、多くは臨床分野から転職してきた医師だといわれています。

自治体にもよりますが、専門科目や保健所での勤務経験を問わず募集していることが多いため、空きさえうまく見つけられれば比較的転職しやすい職場です。採用試験はありますが、必要な知識は研修で身につけることができます。

また、これまでの経験や人脈などを役立てることも可能です。

医師が保健所に転職するデメリット

給与は高くない

保健所の公衆衛生医師は、地方公務員という立場になりますので、医療機関に勤める医師に比べて年収は高いとはいえません。

年齢やキャリアによっても異なりますが、一般的に30歳前後で入職した場合は「技師級」での採用で年収750~800万円、「主査級」や「課長補佐級」になると1,000万円前後、その後「課長級」や「次長級」になると1,300~1,400万円前後が目安となります。

収入目的というよりは、やりがいや働きやすさを重視して転職する人が多いようです。

人によって適性がある

公衆衛生医師の仕事は、臨床医とはまるで異なるため、人によって合う・合わないがあるかもしれません。

医学の知識はもちろん大切ですが、さまざまな部署と連携をとる必要があることから、チームワーク精神やコミュニケーションスキルは必須といえます。また保健所長として勤めることになりますので、マネジメント能力も重要です。

ちなみに、公衆衛生医師は保健所だけではなく、都道府県庁や市役所の保険福祉部にもポストがあります。こちらは企画の立案や予算の調整など、より行政色の強い業務が多くなります。

多くの自治体では両方まとめて採用を行なっており、どちらに配属されるかは空き状況などによりますので、自治体の職員として柔軟に対応できる能力も求められそうです。

患者さんと接する機会が少ない

保健所勤務では、健康診断などの限られた機会をのぞき、患者さんと接することはあまりありません。そのため、患者さんと直接関わって医療を提供したい人には向いていない可能性があります。

臨床医が一人ひとりの患者さんを診る仕事であるのに対し、公衆衛生医師は地域住民全体を診る仕事ですので、そこにやりがいを感じられるかどうかが一つのポイントです。

意外と求人数が少ない

保健所の数自体が限られていることもあって、公衆衛生医師の求人はそれほど多いとはいえません。基本的には、欠員が出た時に補充のための募集がかけられます。

保健所の数が多い都市部では、随時募集されていることもありますが、地域によっては求人を見つけるのが大変かもしれません。

とくに近年、医師不足の現状から、特例として一定の条件を満たせば医師以外でも保健所長になれる道が開かれていることもあって、ますます求人に空きが出にくい状況になっているようです。

保健所への医師転職を成功させるコツ

医師の転職

保健所に転職するためには、何はなくともまず求人をうまく見つけることが第一です。

普通であれば、非公開求人を多く保有している医師転職支援サイトの利用をおすすめするのですが、保健所の求人は転職サイトに掲載されていないことが多いため、基本的には各自治体のサイトで探すことになります。

また、厚生労働省のサイトや、全国保健所長会のサイトにも募集情報が載っていますので、そちらもこまめにチェックしてみてください。

医師免許さえあれば、応募するにあたって特別必要な資格はありませんが、一部の自治体では専門科目や実務経験などの条件を設けているところもあります。

年齢制限はとくにないか、60~65歳までとなっている自治体が多いため、ベテランの医師でも転職できる可能性は十分あると思われます。

選考試験では、面接のほかに小論文が必要な自治体もありますので、公衆衛生について自身の考えをうまくまとめておくといいでしょう。

まとめ

医師が保健所に転職するメリットとデメリットについてご紹介しました。

臨床医と異なり、患者さんに直接医療を提供することはありませんが、公衆衛生の分野から地域の人々の病気予防や健康維持に役立てる、やりがいのある仕事です。

医療機関への転職に比べると狭き門ではありますが、自治体によっては随時募集を受け付けているところもあります。若干名の採用となっているところが多いため、うまく自分を売り込むことが大切です。

保健所の求人は、医師転職支援サイトではあまり扱われていませんが、登録しておけば有用な情報が得られる可能性がありますし、転職成功のためのアドバイスももらえます。各自治体のサイトをこまめに確認するとともに、医師転職支援サイトにも登録して網を広く張っておきましょう。

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