医師が転職にいったい何を求めているのか?

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ほかの職業と同じく、医師も何らかの目的をもって転職を考えることが普通です。

医師の転職理由についてのアンケート結果を見ますと、多くの調査で「勤務時間の短縮」や「給与アップ」「スキルアップ」などの理由がランクインしています。

また「職場の運営方針と合わなかったから」という理由も意外と多いほか、「家庭や生活の事情」を挙げる医師も多いようです。

ここでは、いくつかのアンケート調査の結果をもとに、医師が転職にいったい何を求めているのかについて考察してみたいと思います。

医師の転職理由についてのアンケート調査を分析!

インターネット上で閲覧できる、医師の転職理由に関するアンケート調査を3つピックアップしてみました。

株式会社アンテリオの調査結果

2013年6月14日~7月8日にかけて、インターネットを通して1,081人の医師を対象に実施された調査です。

その中でも実際に転職経験がある医師を対象に、直近の転職の理由について質問したところ、回答の多い順に以下のようになりました。

施設・医局との方針が合わなかった 27.7%
自身が考える理想的な医療を提供したかった 19.4%
自身のスキルを活かせる診療を行いたかった 18.6%
自身のスキルを高めたかった 17.5%
より高収入を得たかった 17.0%
勤務時間を減らしたかった 14.6%
育児 6.8%

株式会社アンテリオ「調査レポート『医師の転職意向に関する調査』結果について」参照

もっとも回答の多かった転職理由は、「施設・医局との方針が合わなかった」というものです。

2位の「自身が考える理想的な医療を提供したかった」と、3位の「自身のスキルを活かせる診療を行いたかった」という回答からも、以前の職場ではそれが難しかった、という事情があったことがうかがえます。

医師転職ドットコム(株式会社メディウェル)の調査結果

医師の転職情報サイト「医師転職ドットコム」が、2016年に696人の利用者を対象に転職理由についてのアンケート調査を行なったところ、回答の多かった順に以下のようになりました。

家庭・生活事情 17%
大学病院・医局を離れる・辞める 14%
勤務負荷 11%
職場環境・人間関係 10%
給与・待遇 8%
スキルアップ・専門性 8%
勤務内容・やりがい 7%
拘束時間・通勤時間 6%
転居 4%
転科 2%
定年 2%
閉院 2%
帰国 2%
その他 7%

医師転職ドットコム「医師の転職理由とその背景とは?」参照

こちらの調査では、「家庭・生活事情」を転職理由に挙げる人がもっとも多い結果となりました。

具体的な理由を見てみますと、「子どもが生まれたから育児に理解のある職場で働きたい」「子どもの教育環境を考えて引っ越しするため、通勤圏内の職場を探したい」「家族との時間をもっと持ちたい」など、特に子育て世代の医師による回答が多いことがわかります。

エムスリーキャリアの調査結果

医師転職サイト「m3.com」を運営するエムスリーキャリア株式会社が、転職支援した4,000人の医師を対象に、2015年4月から1年間行なった大規模なアンケート調査があります。

全20項目のうち、上位10位に入ったのは以下のような項目です。

過剰な業務負荷・リスクの解消 14.9%
業務方針・内容への不満解消 12.2%
加齢にともなう業務変更の必要 11.4%
大学医局人事への不満解消 11.0%
経営方針・内容への不満解消 11.0%
スキルの活用・挑戦 10.7%
転居 10.5%
収入の向上 9.4%
その他 8.0%
家族との時間確保 7.5%

m3.com「医師4,000人調査!最も多い転職理由は?」参照

全体的に10%台が多く、非常にばらつきのある結果となっています。

その中でももっとも多かったのは「過剰な業務負荷」で、3位に「加齢にともなう業務変更の必要」がランクインしていることからも、ハードな労働が退職理由になっていることがうかがえます。

また、株式会社アンテリオの調査と同じく、「業務方針や経営方針への不満」も上位に来ているのは興味深いところです。

「現在の職場への不満」が転職理由になりやすい

上記3つのアンケート調査を見ますと、「現在の職場に対する何らかの不満」がきっかけで転職を考える医師が多いのは確かなようです。

労働条件では、「給与」という回答は意外と少なく、「勤務時間の長さ」を挙げる医師が多いことがわかります。

また、「施設の運営方針や業務方針への不満」も上位に入っています。

具体的な理由は人それぞれでしょうが、たとえば「人手不足によるハードすぎるシフト」や「利益重視の運営」「一族が牛耳る病院の運営方針への不信感」などが挙げられるかもしれません。

その他、時代の流れもあるのか、医師も「家族との時間」を理由に転職を考える人が多い現状も浮かび上がってきます。

特に子どもが生まれると、育児や一緒に過ごす時間を十分にとれるような職場への転職を希望する医師が多いようです。

もちろん、職場への不満ばかりではなく、自身のスキルアップのために転職する医師も一定数います。具体的には「専門医取得のため」「手術経験をもっと積みたい」などの理由が多いようです。

また将来的に開業の予定があり、その前に経営・運営面でのスキルを身につけるために、雇われ院長として働ける病院への転職を希望する医師もいます。

その他、転科や転地、閉院後にもう一がんばりなど、医師によってさまざまな転職理由があります。

まとめ

医師が転職に求めるものについて、アンケート結果をもとにご紹介しました。

転職理由として「現在の職場への不満」が多いことから、転職を成功させるためには、その不満を洗い出すことが非常に大切であることがわかります。

何が不満なのかを明確にすることで、新しい職場に優先的に求める条件がおのずと見えてくるからです。

「給与が良くて勤務時間も短くて週休2日で当直もオンコールもなくて、人間関係も良くて…」というすべてに恵まれた職場は、残念ながらそうそうありません。

ですから、自分が絶対に譲れない条件をはっきりさせることが大切です。そうすれば、逆に妥協してもいい条件もわかってきます。

ちなみに、医師の転職サイトを活用することでも、自分が転職に求めているものを再確認できます。

多くの転職サイトでは、まず担当コンサルタントとのカウンセリングが行なわれ、希望の条件などについてくわしく話し合うのですが、その段階で改めて自分の重視する項目を確認できることもあるのです。

また、経験豊富なプロのコンサルタントの話を聞くことで、今の医師転職の現状や、現在勤めている職場への客観的な評価、これまで考えたことのなかった新たな職場の選択肢なども見えてくる可能性があるでしょう。

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